神奈川県横浜市にある持ち家がようやく売れ、晴れてマンションの所有というババ抜きから開放されました。
流動性の低い高額資産が無くなって身軽になり嬉しいです。
購入した理由
主な理由は以下の2点です。
1. よく調べもせずに、無職は賃貸を借りることができないと思っていた
購入を検討し始めた2019年頃は、今ほどには低資産でリタイアする人が多くなかったため無職でも普通の賃貸住宅を借りることができるという情報が少なかったのと、リノベ業者の情報を鵜呑みにして購入+リノベが最適解だというバイアスがかかっていました。
2. 内装を自分達の生活に最適化できるスケルトンリノベに少し憧れがあった
一般的なマンションの内装はグレードの高低は多少あれど基本的にほぼ大差ありませんが、間取りも含め内装を完全にオーダーメイドした部屋がどんな住み心地なのかに興味がありました。
元々はリタイアした後にゆっくり家を探して購入・リノベをしようと話していましたが、マンション自体の仕入れ値やリノベの材料費・人件費が上がるかもしれないし現状の家賃負担(月々16万円くらい)もあったので、購入すると決めた以上早めに着手した方がトータルの支出が減ると思ったため、リタイアの1年前に購入してしまいました。
売却した理由
東京23区内を転々としたサラリーマン時代の感覚で、近所に食品を仕入れられるスーパーがあれば何とかなるという軽いノリでJR横浜線沿線駅徒歩7分のマンションを購入しましたが、ベッドタウンとも呼べるその場所の住み心地は思っていたものとはかなりのギャップがありました。内容は以下に少し書きました。
簡単にまとめると以下のような理由です。
- その場所が好きになれなかった
- マンション選びに失敗した
- リノベに少し失敗した
こうすればよかったと思うこと
1. その場所が好きになれるかどうか、賃貸でその駅の周辺に試し住みをすればよかった
東京23区から全く土地勘のない神奈川県横浜市に購入して引っ越しましたが、購入にあたり一度内見に行っただけでよく街を見ずに決めてしまいました。確かに平日の昼間は家にいない前提であれば部屋の住み心地さえよければ許容範囲という場所ですが、テレワークやリタイア後に平日の昼間も家にいる場合、つまらない街というのは本当に退屈です。
もし賃貸でその場所に1年くらい生活していたら、その場所に家を買うという選択はしていなかったでしょう。
2. リノベする前にそのままの状態で半年以上住んでからリノベの設計をすればよかった
私は音や匂いに対しては割と神経質な方なので、幹線道路沿のその建物がある程度騒音との戦いになることは購入前の内見の時点でわかっていました。それでも二重窓にするので大丈夫だろうとタカを括っていましたが、いざリノベが完了して引き渡されてみると二重窓をもってしても特に夜は結構うるさく気になってしまい、睡眠のクオリティが低い日が続きました。
うるささがよくわかっていれば幹線道路側の窓際にベッドを置くスペースを作ることなどなかったはずなので、一度住んでみてその部屋が持つ特性をよく把握しておくべきでした。尤も、二重窓の効果を設置する前に定量的に想定することは難しいので、リノベ前の部屋で生活していたとしても騒音に対する課題を回避できたかどうかはわかりません。
ただ、日照の時間に応じて間取りを決めることができただろうし、街が気に入らなかった時の早期撤退(売却)も考慮できていたのではないかと思います。
3. マンションを選んだりリノベの設計をする際に売却のことも考えておけばよかった
私達はそのマンションがダメになるまでそこに住むつもりだったこともあって購入・リノベ共に一括払いにしたため、購入時点では建物自体のローンの通り易さには無頓着でした。
売却のことを考えると管理状態全般はもちろんのこと、次の買い手が買いやすいかどうかも重要な問題になることが売却活動をしている中でわかりました。地域や立地の他に買いやすいかどうかを決める要素は以下の2点です。
- 耐震基準
- 間取り
旧耐震基準のマンションの購入にあたってはローンが使えない金融機関がある、フラット35が使えない、住宅ローン減税が使えないという欠点があり、これらは実際の耐震性よりも痛い問題で、対象顧客を減らしてしまう要素になり得ます。
また、我々は狭く区切るよりも広い空間に憧れていたため、60平米のマンションを1Rにしてしまいました。比較的資力のあるDINKには1LDK以上が好まれることが多いようで、60平米の1Rに興味を持ってくれた人は皆独身でしたが、独身は国家資格持ちでもない限り既婚者よりもローンの審査に通りづらいそうです。実際に我々の物件を気に入ってくれた人がローンの事前審査に通らず苦慮していたのを仲介業者から聞いていました。
スケルトンリノベは間取りから何から好きなように変更できるのがメリットではありますが、売却のことも考えると万人受けする間取りや内装にする必要が出てきてしまい、スケルトンリノベのメリットが半減します。もちろんマンションの立地との兼ね合い次第でもあり、たとえば東京23区内であれば住みたい人が多いでしょうから比較的思い切った造りでも対象顧客が多いため、価格が折り合えばすぐに買い手が見つかるようです。
結局のところ、東京23区外の旧耐震マンションを購入して独自色の強いリノベするということは売却を考えるとレッドカードだったということです。
損益
特定防止のため多少数字をずらしていますが、1,550万円で仕入れたマンションを1,100万円でリノベして2,500万円で売却しました。売買にかかった経費は260万円なので純粋な損益は410万円のマイナスですが、この家は我々の居住用として約30カ月間所有していました。この建物の過去の賃料を調べると11万円くらいだったので30カ月分の家賃は330万円ですが、この分を損失から引くと70万円となるため、我々の勉強代は70万円だったという見方ができます。
好き勝手にリノベをして2年住んだ割には悪くない金額なのではないかと思います。
今後
上にリンクしたエントリーでも少し書きましたが、マンションの部屋を所有するということは売買から管理までいろいろ面倒なことが多いし、債券や投資信託と異なり手軽に他の形に換えられず「所有」が重くのしかかるので私の性には合わないと思いました。
できることなら体の自由が効く間はずっと賃貸住宅に住み、その後は介護施設に入って一生を終えたいと思っています。
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